ジョーイ、戻れぞかし

前に、渋谷の「シアター・オーブ」に行った。入り口で、予定公演のチラシの束くれるでしょ?

めくっていると、「ウォー・ホース 戦火の馬」があった。

舞台を観たスピルバーグが胸一杯になり、同名の映画まで監督したと書かれてる。

舞台では、金属製の馬が出てくる。操作してるのは、2人の男。歌舞伎の馬と違って、動きがほんとの馬に見まがうばかりだという。

頭と首の上下左右、胴のひねり、足の運び。

「戦火の馬」評論社刊を読んでみた。著者のマイケル・モーパーゴは児童文学者なんだ。

100年前の1914年6月28日、ボスニアサラエボ事件。1ヶ月後の7月28日、ついにGreat War大戦争勃発。

兵士たちは「クリスマスまでには終わるさ」と軽口をたたいていたが、1918年いっぱい戦争していた。総力戦という言葉が生まれた第一次世界大戦

農家少年アルバートの愛馬ジョーイの、14年から18年をたどる。

終始、ジョーイの感情と思考で物語る。

イギリスの軍馬となってフランスに渡る。突撃し、次々に兵士は斃れ、敵地領内に迷いこむ。

ドイツ軍の軍馬に成り代わるが、そこで老人と少女に出会い、これがフィナーレの胸熱くなる伏線になる。

イギリスの戦勝より、平和希求を馬で語ったモーパーゴ。骨太の告発だ。

Marcus Roberts Poinciana