果樹園経営どうでしょ
神奈川遠足も、目的地があればワクワクする。
県南部は、単純だ。東海道線だけ。市も東から西へ鎌倉、藤沢、茅ヶ崎、平塚、大磯。だいたい、あたりがつく。
ところが、県北部はとりつく島がない。鉄道路線図を指でなぞる。迷路のようだ。だいたい、名前からして似てるんだ。横浜線、相模線、相模鉄道線。
自衛隊と米軍基地、そして東名サービスエリア。知ってるのは名前だけ。
「かながわ農業アカデミー」は、海老名駅からバス20分にあった。さすがに空が広い。いいね。
耕作放棄地って、聞いたことあるでしょ?
高齢農家で、跡継ぎがいない農地。神奈川県にもあって、行政は新規就農者を募集したり育成する事業をしている。
「かながわ農業アカデミー」は、文部科学省でなく農林水産省所管の学校だった。
果樹科で、一日体験をする。
このコースに集まったのは、果樹園の二代目ばかり。寡黙な奴ら。毛色が違うのは僕だけ。浮いてるのが、また楽しい。
ブルーベリーやナシの収穫をしながら、土地面積あたりの売価計算や栽培法を学ぶ。見通し無いけど、果樹園経営者になった自分を想像する。
ぶどう畑で先生が「これを、ジョイント栽培といいます」と説明。数本の木を一直線に植えて、枝をつないでいく。数年後、伸びた枝は左右に展開する。
つまり、魚の骨のように拡げて生産管理をする新技術。
もう気分はプロ。
新規就農で一番簡単なのは、露地野菜作り。投資資金が少なく、収穫・販売が3〜6ヶ月後にできる。
対して、果樹は3〜6ヶ年後。なにしろ、木が育つまで待たなきゃいけない。そりゃそうだが、全然めげないぜ。
給食後は、学校説明会や学生との質疑応答。
学生寮もある。あこがれるよなぁ、寮生活。急に海老名が身近になった。