格差を許容できるのは何倍?

そのうち邦訳本が出るだろうと楽しみにしているトマ・ピケティ著「21世紀の資本論」。

20ヶ国以上の3世紀間データを集め、不平等や格差が今日的課題ではないことを論証した本。

すでに共産主義で国を運営しても失敗することは、わかった。大きすぎる政府が国民の面倒見ても、よけいなお世話なんだ。

で、次。北欧型の運営。いわゆる民主・平等的な指標で、北欧諸国は常にベスト10に並ぶ。1人当たりの所得も高いし、税金も高い。

社会民主主義というのは、個人の欲望を認める一方、社会には一定数の弱者がいることを前提に制度設計をする。

世界は北欧を見習えばいいのに、と思ってた矢先に米スタバのニュース。

直営店で週20時間以上働き、大学入学基準を満たしていれば学費を肩代わりするという。学位を取得しても、スタバに残る義務も無い。

なんですか、この太っ腹。

大学をあきらめ、軍隊に入隊せざるを得ない低所得者には朗報。

次に、高額な授業料に中退せざるを得ない学生にも朗報。

よく、アメリカの大学は奨学金制度が充実してるというけれど、日本と同じで圧倒的に貸与型なんだ。給付型ではない。

働いて返す借金が積み上がるだけ。返せりゃいいよ。

「僕たちが親より豊かになるのはもう不可能なのか」阪急コミュニケーションズ刊。

卒業後、定職に就けないアメリカの若者レポート。目新しさを感じないのは、日本で毎日報道されている現象と同じだから。まったく同じ。

働き口は、海外に移ってる。残った仕事は、単純労働。加えて、終身雇用の風土はもとより無い。

「こんな低賃金じゃ、奨学金が返せない」という嘆き。ならば中・高卒で働けばいいが、学卒でなければ企業がまともに相手にしないジレンマ。

標準的な労働者の300倍の所得があるアメリカCEO。

ロマノフ王朝は、レーニンの3万倍くらいの所得があったのか?

スラヴ舞曲 作品72の2 ドヴォルザーク