25歳から「おまけ」人生

シネマ・ミュージカル「李香蘭」を観る。

現在94歳の山口淑子さん。国会議員とTVバラエティ番組の司会者でしか見たことない。

大正9年中国に生まれ、李香蘭として戦中は銀幕の大スター。敗戦を上海で迎える。

本籍は佐賀県にあり。日本人だったことがわかり、中国の軍事裁判では漢奸罪にならなかった。裏切り者ではなく、敵。だから死刑ではなく、国外追放となる。

ミュージカルは、この法廷での告発で始り、判決場面で終わる。

時に25歳。思うに、それから現在までは、彼女には余生に映るのではないか。長過ぎる回顧期。

ほとんど、戦争の時代だった青春期。

満州映画社で、アイドルという仕事の日々。パールハーバーの翌年には、有楽町の日劇でリサイタルをした。人気は劇場を7回り半もの列をつくったという。

観客には、李香蘭って中国人だったのか、日本人だったか。

ミュージカルは関東軍の進出、満州国誕生、五族協和という背景を歌で描く。でも歴史の教科書読んでんじゃないからね、もっと彼女の青春強調で演出してほしかった。

満州事変から原爆まで、15年も戦争していた日本。

サッカーW杯なら、日韓→ドイツ→南ア→ブラジル大会が終わって、更に五輪リオ大会まで戦時だったということになる。 ね?

資源もない貧乏な国が、無理にムリを重ねてやった。

赤坂にある高橋是清翁の旧宅跡に行く。二二六事件で斃れた。「お金が無いから、軍事予算も削るよ」と主張した。軍人はロビー活動で「お願いしますよ」とは考えない。実力行使あるのみ。

李香蘭にも是清翁にも、現在日本人は平和をもてあます「平和難民」に見えるかな。