監督の息子が、監督の父親役
渋谷アップリンクで、どっちを見ようか迷った。
「DUNE」か「リアリティのダンス」か。1階の喫茶店でチラシを見ながら30分間迷いに迷って「リアリティのダンス」に決定させた。
「DUNE」はボドロフスキー監督を追いかけた映画。SF小説「デューン」を映画化しようと集めたのがピンク・フロイド、ミック・ジャガー、H.R.ギーガー、オーソン・ウェルズ、サルバトール・ダリたち。
実現していれば、映画史に残った。「スター・ウォーズ」や「エイリアン」の素。未完に終わった不首尾すら、ドキュメンタリーになる。
元祖カルト映像作家のボドロフスキー。
「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」から幾星霜。「120歳まで闘い続ける」と意気軒昂に撮った今回の「リアリティのダンス」。
監督は、ドイツか東欧の人かと思っていたがチリ人だった。家族の自伝的な映画。「4歳の時にフランケンシュタインを見てから、映画が友だちになった」。
チリのサーカス団から物語が始まる。原色と五体不満足者と黒い砂浜。暴力・放尿・嘔吐と続く。
これなくして、呪術に縛られてるとしかみえなかった家族を、讃歌することができない。
家族再生には、避けて通れない方法だったのだろう。
アップリンクでは、自伝「リアリティのダンス」文遊社刊を売ってた。
彼はコミックも描いていたんだよ。映画が劇画調なのも納得できた。その漫画やドローイングも売っていて、題材も線も色も正味カルトな人だ。
120歳以上生きてほしい。