気が済むまで鳴いてくれ

夏の道では、よくアブラゼミがころがってる。

短命が尽きて、昇天。昨日までは、ミーミー鳴いていたんだろう。とにかく、我が家の近所はにぎやかだ。

と、あまりの大音響に「元気、元気」と外を見る。網戸に止まって、室内に音を吹き込んでいたんだ。休憩場所は樹木じゃなくてもいいの。

窓がすべて、網戸ではない。ということは、室内に入り込んで止まる可能性もある。5匹くらい団体で来ないかな。

「昆虫 里山に飛翔する生き物たち」NHK出版刊。

鳴くのはオスだけ。仲間とのコミュニケーションをしているのだという。

セミが地上にはい登る時期は、人間でいえばすでに定年の年齢なんでしょ? この時期といえば、自分史書いたり、そば打ちやったり、年金の心配したり。

鳴き声が、嘆き節に聞こえる。

著者の海野和男さんは、小諸に住んで毎日生物を追いかけている。

まず、チョウ類。

花に止まっていれば撮りやすい。飛んでるチョウを仰いで、俯瞰で、側面からの写真がある。どうやって、撮影したんだろう。

次にコウチョウ類。

これはカブトムシ、ホタル、テントウ虫などだ。正面顔のドアップ、脚の構造がわかる写真、飛翔中と、チョウより撮影テクニックが要る。

その他、まとめて昆虫。

トンボ、バッタ、カマキリ、ハチなど。B5サイズのページに拡大されてるから、いやでも頭部・胸部・腹部・脚部が鮮明だ。5000分の1秒くらいで撮っているのか。

顕微鏡写真もある。

網戸のセミ。最初に撮ったら逆光で、セミが真っ黒。フラッシュをたいたら、腹部が撮れた。

が、身の危険を感じたかサッと飛んでいった。

増崎孝司 「Blue Eyes」