図鑑のような畑だった
畑で煙が立つのを、所々で見た。久しぶりだ。
栽培する → 収穫する。何にしても、後には作物の10倍20倍の「売れないもの」が残る。根、茎、葉。
かつては廃物利用して、別の商品を作った。母さんが夜なべしてせっせと作った。今は、ただのゴミ。産業廃棄物。金を払って、処分しなけりゃいけない。
払いたくない → 燃やす。
のんびり寄ると、農民は違法の現場を摘発されたと思って、炯々とした眼光を投げてくる。カメラをバッグにしまう。
場所移動。別の煙の現場で立ち止まり、しばし燃え具合を眺める。趣味はたき火。見飽きない。
農夫婦に、畑を案内してもらう。
「これ、ナガイモ」「ヤマイモじゃなくて?」。
蔓に付いた豆のようなムカゴ。種にもなるが、そのままご飯と一緒に炊いてもいい。
夏野菜の畝が続く。ゴマがあった。白い花。実の中に種がなる。食べられると最初に発見した人類は、原産地のインド人だろう。
ありました、カボチャ。
「これは、食べられないの」「名前は?」「おもちゃカボチャ」。
おちょくった名前だなぁ。調べたら、正式にはペポカボチャ。原産はメキシコだった。装飾用野菜というのがあるんだよ。
夏が終わると、ショーウィンドウはハロウィンに模様替えする。おもちゃカボチャもあふれるぞ。