その広告マンは、今?

わかりやすいメジャー映画は退屈だ。

なのに、どんだけ勧善懲悪のわかりやすさを求めているかがわかった。

試写会で「NO ノー」を見た。チリの映画で「CMは世界を変えられるか?」。

独裁政権だったチリで、1988年に信任を問う国民投票があった。すでに1973年から続いている独裁。ここで継続を支持するYES派と、拒否するNO派は激しいキャンペーンを張る。

結果はYESに44%、NOが56%。NO派の広告マンが勝利する映画。

これがハリウッド映画なら、グリグリ鮮明に描く。

アメリカ傀儡の独裁政治の恐怖、主人公の上司のいやがらせ、家庭内の葛藤。肝心なCMのコンセプト。

すべてが、ぼやけてる。

で、気付いた。ハリウッドは、事情をわかってない人を前提に脚本を作るってこと。

独裁者ピノチェトは、チリのことだったの? ペロンってのも名高いけど、彼はアルゼンチンのほうだった。マドンナが演った「エビータ」も、アルゼンチンってことか。

そういえば、青森県住宅供給公社のオヤジを手玉にとって14億円を荒稼ぎしたアニータ・アルバラード嬢もいたな。日本人に、チリを身近にした人。あの人は、今?

写真は、アロウカリア アロウカーナ。属名のアロウカリアは、チリの先住民のアラウコ族にちなむ。

こういう機会でもなければ、チリに目が向かなかった。