できあいの感動はいらない
1ヶ月に1冊は、確実に写真の本を読む見る。
今回はハウツーもの。もともと、カメラ操作は弱い。
「『ネイチャー』写真術」講談社ブルーバックス刊。「プロに学ぶデジタルカメラ」「感動をあたえる写真とはなにか」と2つサブタイトルが付く。
著者は、1984年からフリーで世界の自然、主に動物を撮ってる水口博也さん。
カメラの設定について。これは、も一度操作マニュアルを読み返さなければいけない。ずっと、勘でやってきた。
構図について。よけいな情報をカットして被写体を目立たせる。背景を考える。朝・夕にも撮る。いろいろな場所で撮る。これは、実践中。
いずれにしても、1ヶ月に1回シャッターを押すくらいなら、上達はしないってことだ。
それは納得できた。頭を傾げたのは、肝心の作例。「感動をあたえてくれない写真」ばかりなので、ガッカリした。
84年、いや70年代から見続けてきたような写真ばかりだった。
一つには、動物にはファッション・風俗が無いので、時代の推移を写せない。「あいも変わらず」は、しょうがない。
二つ目には、交通機関が発達したので、あらかたの動物は写真化されて、新しさを感じない。
2つのハンディキャップをかかえてはいるが、商売には向いている。
生態図鑑的な写真集として。あるいは、コマーシャル写真用のにぎやかし写真として、とってもよく売れるのだ。
プロが、約束事だらけで最大公約数の「感動」術をアマチュアに教えているから、つまらない。
下手でも売れなくても、僕は写真を私的に心掛ける。ネイチャーなら、思ってもみなかった仕草。
カラスも喉が乾いた。かすかな水たまりを見つけた。でも、我がクチバシはタテ方向にカーブしているので、そのままでは飲めない。
全身を横に倒し、クチバシを水平に保って水を吸い込む。
うれしかったなぁ。