直すのに10年かかる

最寄りの「たまプラーザ駅」前には、ちょっとした舞台がある。

なんかドンチャカやってる時は、だいたい金土日曜日が多い。

太鼓組がドンドンやっていたので、寄ってみる。長野県上田から、「上田城太鼓祭り」と書かれた幟があった。

終わって別の三人組が登場し、今度は上田市のPR。うまいもの、温泉、ハイキングコース、お土産などを、お笑い付きトークで観客に迫る。

アクセントが、ちょっとヘンだった。本人は、普通に喋ってるつもりだろうが。

もし、「音訳養成講座」の帰りじゃなかったら、気付かない。さんざ、先生に注意された。

人の声には、それぞれ特徴がある。でも、声を商売にしている人以外は、産まれた時から批評・指摘をされたことが無でしょう。

それが個性だから、こちらから指摘もしない。

ところが、声を届ける役割になると、どれだけ相手に負担なく伝えるか、たちまち課題がわかるんだ。

地方によって違うアクセントだけじゃない。

2回目の講義では、音の無声化を習った。母音の口構えをしながらも、母音を発音しない。

たとえば、「特派員」。とくはいん、と1音1音を鮮明に言わない。「く」は、無声化する。kuのkを無声子音という。

他に、連母音・二重母音。鼻濁音。

アクセントとアクセントの表記については、例文を上げて説明する。

雨の日の飴。暑い厚い服。秋に飽きがくる。瓜を売りにくる。領事が療治を頼む。変事に返事をする。

ところが、ある世代以降になると、鼻濁音をつかわない人が増えている。(ゥン)が、(ゥン)げ・・・とせずに、単なる「が」、「げ」と言う。

ちょっと、頭悪そうに聞こえる。

アクセントも、平板型になる。ギター、アドレス、ボックス。皆、頭高型に発音しない。

ミュージシャンは、アコースティッ・ギターを略して「アコギ」と平板に言う。最初に聞いた時は、抜け目のない性格の意味の「阿漕」を連想して笑った。「阿漕」は頭高ではあるが。

聞く側は、聞きながら意味を思考している。今まで、どれだけ相手の思考を中断する発声をしていたか。

わかっただけでも、めっけもの。

[https://www.youtube.com/watch?v=SJCr5aBXmzU:title=http://:title=スクリャービン/ピアノソナタ第2番]