売る技法は単純に回帰する

マーシャル・マクルーハンは、落語「小言幸兵衛」に似てる。

幸兵衛さんは、近所一帯で会う人会う人誰かれなく小言を言って歩く。家にもどれば、かみさんや飼ってる猫にも小言をもらす。

マクルーハンの永遠の名著「機械の花嫁」竹内書店新社刊。

メディアの仕事をやっていて、「機械の花嫁」は常に視界にあった。1951年の著書。書かれていることが、古びていない。

20世紀は、大量生産と大量消費が始まった世紀。機械が製品を産み、人々はおしなべて市民から消費者になってしまった。

ここに、両者をつなぐ大部数のメディアが登場した。新聞・雑誌・ラジオ・テレビ・広告・映画。現在につながるネットも、同工異曲。

iPhone6の行列ニュースは、つくづく「大衆を巻き込む大絵巻」を見ているようだ。マーケティングの勝利。

最初の2〜3章を読んでいて怜悧な分析に舌を巻いた。人々が持ってるあらゆるマイナス感情を、なだめ・いやし・同情し・拡張し・同意する。

「そこで」と、新しい商品やサービスを見せる。売るのに秘密は無い。

このカナダ人「小言幸兵衛」は、あたるを幸い59の実例で人間心理の単純さに、定規をあてたのだった。

横浜の映画館「ジャック & ベティ」。前身は、1952年に開館した「横浜名画座」。

なりは、古い。古いが、代謝をして新しい映画を上映してる。

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