妖怪がやってくるぞ〜〜

小松和彦さんの講演が終わって、質問タイムに移った。

会場から、「蛇蝎(だかつ)というのは、妖怪なんでしょうか?」という質問が飛んだ。そうか、「蛇蝎のように嫌う」という言葉があったな。

小松さんの答え。「心証を言っているのだと思います」。

六本木の国際文化会館が、京都にある国際日本文化研究センターとコラボしたフォーラムに参加した。

「妖怪と日本人の想像力」。

とにかく、妖怪が大人気なのだという。お化け好きの僕にはうれしいよ。

夏になれば、美術館・博物館はガラ空きになる。

ところが、数年前から「妖怪」をテーマにすると、わんさか人が押し寄せる。原宿の太田美術館は、今年3ヶ月かけてお化け・妖怪・妖術使いの浮世絵を展覧したくらい。

食玩、おもちゃ、キャラクター、雑貨にもなる。

こうなると、妖怪も立派な大衆文化として1つのジャンルでしょう。

平安時代からバージョンアップされた文章と絵画。姿形も千変万化、名前は数知れず。生活に浸透し、遊び道具にも使われた。

「小豆(あずき)洗い」なるおばあさんは、夜な夜なシャッシャッと小豆を洗う。これ妖怪。

外国で展覧会を開くと、現地からは「日本に行けば、妖怪に会えるんですか?」と質問が来るほど、グローバルに訴求する魅力。

アニミズム的な霊魂を擬人化して、神と魔がヒョイヒョイと入れ替わる。

恐怖と可愛らしさが同居する図像。

日文研の小松さんは、民話・伝説・信仰など民俗を永年研究してきた。日本の自然と器物と人間の関係を見つめて来た。

山の土石流災害は、「蛇(じゃ)抜け」という伝説が各地にあったのだ。

事例発表を聞いていると、民族学や人類学に広がるのがわかる。

三沢洋紀と岡林ロックンロール・センター