女が好きで嫌いだったダリ
シュルレアリスムが金になった時代の巨匠、サルバトーレ・ダリ生誕110年の展覧会をやっていた。
画廊の副社長をやっている長谷川智恵子さんは、1975年にテレビの美術番組でニューヨークのホテルで制作していたダリにインタビューした。
その時71歳。トレードマークの髭に白髪が混じっていた。
描いていたのは「地中海を見るガラ」。ガラは、10歳年上の姉さん女房。
シュルレアリスムの女王として君臨し、ダリを売り出す。60年代に、作るそばから売れるダリ。すると興味が無くなり、浮気に走るガラ。
高まる名声で得意満面の自分と、女房に逃げられた中年男の自分。天才・奇人・狂人を演じなければ、「やってられねぇ」だったか。
「わが秘められた生涯」新潮社刊では、生涯、女王にひれ伏す画業の内面を綴る。「地中海を見るガラ」も、イコンの風景でリアルではない。
長谷川さんが会ったダリ。「鷹揚で、横柄で、威張って、仕切って」いた。
17歳で母親を亡くしたマザコン男の作品は、ブロンズ像で300〜500万円。リトグラフで100万円前後だった。
★目玉ブラボーズ 石塚隆則さん
♪寄り道DJがゆく Jamie Cullum - Save Your Soul