髪型じゃないトラガシラ
9月から受講している音訳講座、毎週金曜日にある。
毎回、次週に声出しする原稿が配布される。最初からICレコーダーが貸与され、よく予習して臨むようにということなのだ。
「我ながら、よく続く」と通っていたが、とうとう第1回目のさぼり。早速、電話が掛かってきた。
「欠席されたようですが、次週の原稿を郵送しますか?」。こっちは、どうせ練習しないのだから送ってもらっても意味がない。
とにかくキチキチと進めたがる。先生も職員も。
もっとリラックスしてできないものか。それが態度に現れて、受講メンバーからは「反抗的態度ですよねぇ」と笑われてる。
「耳で読む読書の世界」東方出版刊。
二村晃さんは、もともと晴眼者だった。定年近くになって視力を失う。僕も0.1以下の近眼だから、可能性はある。
勤務先は電通だった。文字情報ビジネスにいたのだから、遮断されてからの暮らしを考えると、どれほど気持ちが暗澹としたことだろう。
本は、音訳者から聞き続けてきた体験談。
現在、音訳講座でやっている読み方について。やめてほしいのは6つ。
キンキン読み、細切れ読み、ボソボソ読み、ぬらくら読み、ぼやかし読み、まやかし読み。
最後のまやかし読みとは、漢字の誤読のこと。思い込みや知らないので正確に読めないこと。たぶん、黙読の500%の正確さが要求されるってこと。
専門用語、固有名詞、古語、旧字、外来語、慣用句だけじゃない。簡単な漢字でも、読めないのが続々ある。
一方、漢字には意義語が多い。同音が衝突して、聞くほうは類推するしかないもどかしさ。
広辞苑には、「こうしょう」で48語あるそうだ。「こうこう」で41語、「しこう」で39語。
ということは、読みを一旦中止して漢字を説明しなくてはいけない時も出てくる。
多用される字をあてがって説明する。オンとクンで補う。それでも伝わらなければ、部首で解説する。
「ニンベンに」「ゴンベンに」と言えるうちは、まだ救いがある。
以下の部首がわかる人は、手を挙げて!
トラガシラ トウガマエ サンヅクリ ホトギヘン ケイガシラ ツツミガマエ ホコヅクリ ライスキ オオザト
部首名が無ければ
・カタカナのメが2つと、ソセンのソのツクリ = 俎(まないた)
・カタカナのノにオオきいダイ、下はココロの別字 = 忝(かたじけな)い
読む方も聞く方も、薮の中に踏み込んで行く。
★旅する目玉 亀井勇樹さんのカバン
♪旅する鼓膜 徳武弘文&LesPaul