「敵語」を引き受ける

この車両、日比谷公園であった「グローバルフェスタJAPAN2014」に展示してあった。

軽装甲機動車。乗員4人、重量4.5t、最高速度100km/h、小松製作所製。

これまでにイラク人道復興支援、ハイチや南スーダンPKO等に参加した。

国際協力活動をする政府機関・NGO・企業が一堂に会する国内最大のフェスに、最低限でも兵員移動に必要な軽装甲車のこわもてぶり。

「地球の明日へ『笑顔』のタネまき!」というフェスのテーマが吹き飛ぶ。

映画「悪童日記」を見たので、著者アゴタ・クリストフの自伝「文盲」白水社刊を読んだ。

大戦中はドイツ、戦後はソ連に蹂躙されたハンガリー。1956年にハンガリー動乱が起き、21歳のアゴタは旦那と赤ん坊を連れてオーストリアへ逃げる。

国への帰属を、永遠に喪う。

母語での暮らしに、成長過程で強制された外国語はすべて「敵語」という感覚は、安住の地になったフランス語圏でも変わらない。

「敵語」で書く孤独。「あなたの美しいお国は、わたしたち亡命者にとっては砂漠でしかないのだ」。だから、書かずにはいられないのか。

冷戦時代の難民の数は、現在地球全体で30倍くらいに膨らんだろうか。日本では身分保障をする難民認定さえ、ごくごく稀だ。

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