地球が落ちて来たんですが

精神疾患の患者に、受容・共感の態度で話を聞く訓練をしている。

「傾聴講座」も4回目になった。

そもそも健常とは何か? 佐野洋子さんが「性格とは、病気である」と喝破したのを読んで、深くうなずいた。

毎日は、病人が起したフィクションとノンフィクションのことなんだね。

ニュースに、「それは、私だ」とチクリとささる。講座に集まる30人ほども、僕と同じかもしれない。

今回も、3人一組でロールプレーをやった。

患者役と傾聴役、そして2人のやりとりを観察する役。順次、役を変えて3回実施。

・火星人が攻めて来るんです。電波が送られて来て、地球を自由に操ろうとしてます。誰も信じないのがつらいです。

これに、どう傾聴するか? 「火星人」を「成果」という言葉に置き換えれば、わかりやすい。

・家の中に盗聴器があって、24時間見張られてるんです。トイレの窓からも。スーパーで声を掛けられ、こわいです。

ちょっとした事故・事件に巻き込まれれば、誰でも患者になり得る。僕が患者役をやったのは、「虐待」。

・弟には笑ったり褒めたりするのに、私には「しっかりしろ」と殴る蹴るの父親なんです。言葉の暴力もすごくて。

3つの内で、一番あり得る内容だ。用意されたテキストを話言葉で読むのだが、まいったよ。

傾聴者に伝わったと、患者が思えれば成功。聞いてもらえてない、と感じれば失敗。

「こうすれば」なんてアドバイスは言語道断。まずは、考え無しに使っている自分の言い癖をおさらいするところから始めようか。

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