原平さん、よく遊んだ

赤瀬川原平さんが亡くなった。

原平さんほど、老いが似合う人はいない。それも、とんでも老人。

「僕は僕で楽しむから、キミはキミで楽しんでくれ」という精神。若い頃は暴れる芸術家だったけど、1980年代に「超芸術トマソン」をやり出したあたりから、ジワジワ人気者になる。

昔から粋人はいた。

でも、たいがいは古典に親しむセンスから始まる。彼は前衛から始まり、終身将来からやって来た居候(いそうろう)に見えた。

で、死亡記事。通夜、葬儀は近親者のみで行う、とある。

著名人に、このケースが増えた。無名人とて同じ。本人の遺志も遺族も同じ心情。産まれた時と同じ状況で逝きたい。

「お寺の収支報告書」祥伝社刊を読んでいた。

埼玉県熊谷の住職、橋本英樹さんの本。「葬式仏教」とからかわれて久しい寺院の収支計算書を、平成25年4月1日から26年3月31日まで公開した。

地域の寺から、そうとうヒンシュクを買うのではないか?

あってなきが如き葬儀の「相場」や、墓の購入・維持費を、明解にレポートする。

シンプルに言えば、

・価格は誰が決めるの? あなたが決めればいいこと。
・葬儀会場は? 自宅でやればいい。
・戒名は? 俗名の人が増えました。

せいせいした。

親しみを感じれば感じるほど、一人で故人を偲びたい。そのほうが深くつながる。

12月21日までやってる「町田市民文学館ことばらんど」へ行けば、話もたくさんできる。

★旅する目玉 葉加瀬太郎さんの絵  

♪旅する鼓膜 葉加瀬太郎 エトピリカ