日本アジール、フランスに渡る

お正月箱根駅伝の予選会が行われた。

シード10校以外が競って、結果、神奈川大学が1位。キャンパスに祝勝ムードがあると期待したが、平穏だった。

フランス週間ということで、「フランスにおける日本」シンポジウムに出席する。

左がリヨン第2大学のフィリップ・ペルティエさん。右がINALCO日本研究センターのジャン・ビュテルさん。

共に日本語は自在なのだが、さすが講演では疲れるのか母国語で語る。フランスで、日本文化はどう受容されてきたか。

たて続けに、翻訳本を読んでいた。

本の森 翻訳の泉」作品社刊。

鴻巣友季子さんの本。世界語の英語が広まり、今世紀末までに8割以上の言語が消えるという水村美苗さんとの対談が刺激的だった。

言葉に絶滅危惧種あり。

「偏愛記」新潮文庫刊。

こちらはドストエフスキーの新訳で大ヒットを飛ばした亀山郁夫さんのエッセイ。中学3年でシェークスピア、高校2年でカラマゾフの兄弟を読んだ文学青年だった。

世界に亜種を再生産する文豪、「悪霊」から始めようか。

神奈川大学でシンポジウムの進行をしていた的場昭弘さんが、終盤に2人に訊く。

「どんな日本に期待しますか?」。

おもてなしのつもりなのか、外国人に向かって輸入視点の典型的な質問を投げる。社会思想史学者にあるまじき問い。

そういえば、ビュテルさんは神奈川大学に留学し網野善彦さんに師事したと言ってた。日本のあいまい概念が居心地よかったのだろう。

★旅する目玉 石塚公昭さんの人形  

♪旅する鼓膜 Cocco 樹海の糸