誰が選んでいる遺産?
叙勲の季節だ。サザンの桑田先輩も勲章をもらえてウレシイ。
どうやら日本の和紙も、ユネスコの無形文化遺産になるらしい。職人は「やっと俺の時代が来た」と、乾杯してるかもしれない。
去年は、和食が無形文化遺産になった。調べたら、壬生の花田植とか京都の山鉾行事とか、けっこうあるんだ。
「世界記憶遺産百科」柊風社刊。
こちらは、文書、コレクション、書簡、映像、写本、原本、写真などメディアが多い。
我らが山本作兵衛さんの、炭鉱記録画のコレクションも記憶遺産。12歳から筑豊で働き、家族総出・前科者・外国人の現場を絵に残した。
実直な性格が、労働の喜びと哀しみを描く。作兵衛さんは仕事を愛していただろう。憎んではいない。不機嫌じゃない。
「白菊」小学館刊を読んでいたら、記憶が現物として残らないものがあるんだね。
山崎まゆみさんのノンフィクション。長岡の信濃川で挙行される花火絵巻。伝説の花火師・嘉瀬誠次さんの記憶をたどる旅は、すでに引退しているのでセピア色だ。
夜空の大輪の映像は、残っていないのだろうか。
残っていなくても、ナイアガラや彼が工夫して作った打ち上げ花火は遺産として見られるが。
4日、「無形文化遺産 選ぶ視点、選ばれる現実」シンポジウムがあった。
・日本の堅緻な制度が、国際条約とのあいだで齟齬(そご)が目立っている。
誰が選んでいるのか、知りたいよね。すると、誰のための遺産なのかハッキリするでしょ。
★旅する目玉 榎忠さんのオブジェ
♪旅する鼓膜 groOovematic trio