大岡川から橋の裏を見る
「ボートに乗って横浜を散策してみよう」と、社会実験をしているのが、よこはま都心部水上交通実行委員会。
EボートのEは、エコのEだろう。
手漕ぎのボートで、大岡川の桜桟橋から赤レンガパークまで、約40分クルーズをした。
よくやる社会実験には、自転車がある。最近は電動自動車もある。
地域を限定して数カ所に拠点を設け、乗り捨て自由にして交通量を抑える。ボートの場合は、水上交通としての利便性を諮るということか?
そんなことより、川面を進むのがなにより気持ちいい。水鳥気分。
が、が、
橋をくぐった時に見た亀裂で無口になる。
「さがしてます」童心社刊。
アメリカの詩人、アーサー・ビナードさんの絵本。ほんとは絵ではなくて、岡倉禎志さんの写真と詩だから写詩本。
広島の原爆資料館地下収蔵庫にある2万1千点の遺品。14点を選んで、写真を撮り詩を詠んだ。
遺品は、ビナードさんの語りで8月6日の主をさがしている。午前8時15分に止まった時間を語る。
炭化したご飯、中佐の鍵束、歯科医院の義歯、カバン屋主人のメガネ、松田敏彦君のビー玉。
やけどを負った敏彦君は、2日がかりで母親の元にたどりつく。
「橋が焼けたけぇ、川を3つも泳いで渡った」
「死にゃあせんから、心配しなさんな」。
21日、息を引きとった敏彦君。
都市河川は寡黙にする。
★旅する目玉 鈴木陽子さんのコラージュ
♪旅する鼓膜 Bartok Divertimento