対馬に絶滅危惧種あり

吉祥寺の井の頭自然文化園は、ゾウのはな子さんが目的ではなかった。

「ヤマネコ祭り」が目当てだった。

長崎県対馬に棲息するツシマヤマネコ絶滅危惧種であり、講演会やワークショップをやると知り、「生き延びろ!」とエールを送りたかったから。

ベンガルヤマネコ(アムールヤマネコ)は、いた。家ネコと同じ。で、ツシマヤマネコ舎に移動する。いない。

目を凝らして内部を見てもいない。

「非公開施設で飼育してます。ライブ映像なら、見られます」と、いかにもガイドボランティアのおばさんが寄ってきて説明を始めた。

そうか、人間の目はストレスなんだ。絶滅するかもしれない種が、にわかにリアリティを持つ。

ベンガルがツシマの祖先と聞き、ひとまず祖先を見て我慢しよう。

ヤマネコ舎の向いにあったのが、タヌキ舎。

若い2匹がお互いを追っかけて遊んでいる隣に、老齢タヌキが一匹いた。

・若いタヌキ(ポン・ポコ)に比べると、動きがゆったりとしてます。日なたぼっこが大好きで

と案内板説明。10歳以上で、2002年に保護された、とある。10歳で老齢なんだ。

「タヌキたちのびっくり東京生活」技術評論社刊を読んでいた。

幼獣でも成獣でも、とにかく東京で暮らしているのだ。著者NPO都市動物研究会と理事の宮本拓海さんによると、東京は7つにグループ分けできる。

近郊では江戸川区水元、荒川南岸、西武線京王線、世田谷・川崎の多摩川。都心では目白と皇居・御所。

夜行性で、巣は側溝や家の床下が多い。木に登り、塀を歩き、泳ぐ。

「まぬけ」とか「のろま」のイメージがあるが、それは落語とおとぎ話のこと。ほんとは猫なみに運動能力がある。

猫に「餌やりおばさん」がいる。タヌキの「餌やりおじさん」になりたい。家族そろって出てきてくれ。

★旅する目玉 鈴木動物園前さんの立体 

♪旅する鼓膜 椎名林檎 - カーネーション