アメリカと不良のいない本牧

横浜のゴールデンカップといえば、ベトナム戦争が自動的に浮かぶ。ディスコ、ゴーゴークラブと称した踊れる店。

とっくに無いのかと思いきや、現在も横浜市中区本牧町1−46にライブハウスとして存在してた。

当時、名声を聞き及んで東京からゴールデンカップに遠征するほど、音楽好きじゃなかった。

ノンポリで徴兵忌避する米兵に会いに行くほどでもなく、免許が無いからクルマに関心もいかず、暴走族になる不良でもないボンクラ大学生だった。

時を背景にした「横浜グラフィティ」幻冬社刊。菅淳一さんが取材してフィクションにした。

モデルからキルト作家に変身したキャシー中島さんとおぼしき女子が、奈美恵で登場する。

実在の小金丸峰男さんは、小説で獅子丸となる。獅子丸は族のナポレオン党のリーダー。

伊勢佐木町の路上をサーキットにして、夜な夜なレースをする。ドリフト走行に命をかけるリーダー。

ゴールデンカップ本牧には、当時米軍ハウスがあった。82年に返還されるまで、フェンスの向こうにあるアメリカ。

本牧埠頭D突堤の南に、日産自動車専用埠頭がある。日本通運三菱重工もある。ここらも米軍は接収してたか。

積み上げられたコンテナに広がる空が広い。臨海鉄道の鉄路も伸びる。陸送はほとんどトラックになったのだろう。

埠頭は歩いた。

元米軍ハウスあたりは歩いてない。本牧から根岸にかけての根岸湾は、ミシシッピ・ベイと呼ばれていた。こちらも歩いてみたい。

そういえば、最近は暴走族としてつるむのが流行らないらしい。それぞれ気ままな単独行。

老いた小金丸峰男さんの嘆きが聞こえてくる。

★旅する目玉 佐藤信太郎さんの写真 

♪旅する鼓膜 THE WHO - Summertime Blues