話すように読めますか?
今年のJリーグも土壇場で盛り上がる。
ガンバ大阪が浦和レッズを勝ち点で上回って、首位に立つ。残り1試合の結果で、どちらにも優勝の可能性がある。
11月24日に行われたブラインドサッカー世界選手権決勝は、アルゼンチンvsブラジルだった。
視覚障害者のサッカーは、健常者の強豪国対決でもあった。1−0でブラジル優勝。出場国には、スペインやドイツもいた。
目が見えなくて、どうやってボールを追えるのか。ころがるボールは音をたてないから、蹴った力加減で距離を予想してドリブルするのか。
もっと不思議なのは、どうすれば相手チームからボールを奪えるのか。
9月から受講してた「音訳講座」が終わった。視覚障害者向けに印刷物を読むトレーニングだ。
晴眼者は、黙読する。情報の大部分は眼から入る。
ということは、視覚障害者は情報障害者ということなんだ。
情報は毎日あふれてる。毎日アクセスする。ご飯のようなものだから、ハッキリした味があってはいけない。音訳は、個性で聞かせる文芸朗読と違うのだ。
先生は、元アナウンサーだった磯辺誠子さん。
やってもやっても、毎度のように同じ指摘を生徒30人に繰り返して疲れたことだろう。
黙読でスルーしていた正しい読み方。表やグラフは、文章に変換しなければいけない。これらは文字上のこと。
発声も、たくさんあった。
滑舌、アクセント、高低、鼻濁音、無声化。ハッキリ聞き取れるような音の粒立ち。言葉の意味がまとまりで聞こえるような読み方。
読んでる声じゃいけない。自分が理解納得する声じゃダメなんだ。人に話すように、モノを読む。むずかしいよ。
これから、どこかのグループに入って活動しようか。
★旅する目玉 多田景子さんのイラスト