電気をグラフにして見る

横浜の大岡川でボートに乗った。

川の桟橋から港の赤レンガ倉庫まで、オールを漕いで約40分の距離。モーターボートもあったが、それはつまらん。で、10人乗りのEボートにする。

Eとは、エコのことだろう。

市が、水上交通の実証実験をしているのだ。これからの水上交通として利便性ありやなしや。

実証実験という言葉が身近になった。入手したのは、経済産業省がやっている実証実験のパンフ。

「ご家庭の電力を『見える化』しませんか?」。

電気は見えない。ただスイッチをオン・オフするだけ。あとは1ヶ月の使用料を払うだけ。金額 = 電気。

ところが使用量を「見える化」すると、節約しようという気になる。道理だ。

実証実験とは、「大規模HEMS情報基盤事業」とのこと。

モニターになって、HEMSなる機器をとりつける。費用は0円。

1日単位、月単位に電気の使用量がグラフで現れる。PCを使うと、テレビを見ると、ご飯を炊くと、どれだけ電気を使っているかわかる仕組み。

東京海洋大学・刑部真弘さんの講座を思い出した。

グラフの波形を見ると、一般家庭と会社の違いが一目瞭然に出るらしい。会社と大学でも違う。

サッカーの試合でコマーシャルになると、ピンと使用量が増えるのはなぜ? ウォシュレットのトイレを使うから。

なるほど。

「私には娘がいます。風呂上がりにヘアドライヤーを使います」と刑部教授。何を言い始めるとおもいきや、

ヘアドライヤーは1.5馬力あるのだ。ヒーターは馬1.5匹分のパワーがある。それを世の娘たちが一斉にスイッチオンする。

グラフはピンと跳ね上がる。

どこが問題? 電気は貯めておけないので、使用量を平準化するのが理想なのだ。

事情を知るお父さん教授、本音は娘に説明したい。いや、口を酸っぱくして言ったろう。けど、電力のことよりヘアコンディション最優先の娘は、聞く耳もたず。

泣けるよ。

★旅する目玉 河野甲さんの皮

♪旅する鼓膜 Horowitz Rachmaninoff 3rd Concerto