シンポ もっと若者に漱石を
新宿区は、早稲田南町に「漱石山房記念館」を建設する資金を募りたい。
朝日新聞は、100年前の新聞連載小説「三四郎」をテコに拡販したい。
両者の思惑が一致し、早稲田大学大隈講堂で開催された「夏目漱石と青春」。
次の講演、関川 夏央さんが楽しみと思っていたら、年頃がまったく違う若手登壇。誰?
「神様のカルテ」の夏川草介さんだった。案内状をよく読まないからねぇ。
「夏目と、川端と、草枕と、竜之介」をミックスしたペンネールの由来で会場を湧かせてから、近代競争社会と、近代人の孤独・絶望を語る。
内科医として、これからの医療現場に「ナラティブ・メディスン」を紹介した。医者は、症状に個別の対処をするのではなく、患者を物語化する療法。
「前回連載『こころ』が好評で、現在の企画『三四郎』はすんなり決まりました」と、朝日記者の司会で始まったシンポジウム。
青森からやってきた香日(こうひ)ゆらさんが新鮮だった。彼女は、漱石と門下生を4コマ漫画にした本を出している。
「青森といえば太宰ですが、私は嫌い。酒癖が悪くて、女癖が悪くて、クスリをやるは、自殺したがるは」。好きなのは寺田寅彦。
漱石は、交差点なんだ。スタジアムなんだ。学校なんだ。集まり、持ち帰る。
文豪は、東大本郷キャンパスで英語を教えていた。I love you.は「月がきれいですね」と訳す。
平成三四郎は、美穪子に何て言う?
★旅する目玉 丸田祥三さんの写真