垂直になった緑の楽園

築地は、魚市場とかの土地のイメージがある。

地下鉄日比谷線の路線図で確かめると、築地→八丁堀→茅場町人形町小伝馬町秋葉原と南北に連なる。

ここを東西に横切るのが、有楽町線武蔵野線京葉線東西線半蔵門線浅草線新宿線総武線だからね。

周囲の駅名を言われて見当がつくのは、住民だけだろう。

八丁堀に住むクリエイター「クリだっち」は、委細かまわず「○○駅近くの、××という店は〜」と情報を寄せてくる。

茅場町で、「これがすき焼きの『牛幸(うしこう)』」。黒板塀が、バッチリ。

その前に案内されたのが、ピアンタ・スタンツァ。壁面など室内緑化をやっている会社のショールームだった。

緑の壁の作り方。

1 壁にレールを取り付ける
2 15センチ箱に植わった植物を、レールに一つずつはめ込む
3 箱には土ではなく、水ゴケが入ってる

ブランドマネージャー大山雄也さんの頭の中には、1000種以上の植物の特徴がインプットされている。

もしかすると、荒俣宏さんにも同量が埋蔵されてるかもしれない。

「江戸の幽明」朝日新聞新書刊。

江戸時代には朱引(しゅびき)があった。赤線から内側が朱引内で、これが江戸府内=都市部。おおむね日本橋から四方へ進む1泊目の宿場街が、朱引上にあった。

荒俣宏さんは朱引内外を散歩する。江戸郊外は、現在都心の庭園になって残っている。

・私はなぜ庭が好きなのか

庭こそ、都市に作られた「楽園」の模型だから。名園・奇園・怪園。その人がパラダイスと思っているものが反映される。人柄のシンボル。

そうだったのか。

現在は、生活にグリーンを取り入れる段階。壁面緑化も、タテに広がる「楽園」に造作が進化していくのか。

★旅する目玉 前原冬樹さんの木彫

♪旅する鼓膜 ベルリオーズ:幻想交響曲 Op 14 第1楽章