カラス天狗が本流だった

初日の出を拝むのは、富士山が最適?

「なにも、そこまでして」という向きの方に、高尾山があった。「初詣は都営交通で! 高尾山への直通列車」キャンペーンによると、都営新宿線のダイヤは以下のとおり。

本八幡  2:35
・森下   2:57
馬喰横山 3:00
・神保町  3:05
・新宿   3:20 ここから京王線に繋がって
高尾山口 4:16

東京右半分の人が、左半分へ横断する。これも「なにも、そこまで」ではある。

11月に高尾山へ登った。天狗とご対面。小学校の遠足の時は、天狗がいたかな?

「天狗はどこから来たか」大修館書店刊。

中国の古代図像を遊覧している杉原たく哉さんの本。

すでに大正14年に、泰斗南方熊楠は「源流はカルラにある」と指摘していた。

元はインド神話に出てくる不死鳥のGarudaガル(ー)ダ。仏教にとりこまれて迦楼羅(カルラ)、掲路茶(ケイロダ)と呼ばれる。

半鳥半人で、頭とクチバシ・翼と爪はワシ。つまり、カラス天狗のルーツ? 真っ赤な顔して鼻隆々とした天狗が本流じゃないの?

雨風雷・流星・隕石など、空から降る怪異が天狗の仕業と考えられたから、鳥のイメージなんだ。

人に危険・悪をなす・敵対するものであったが、一方で天誅・反面教師・悪を退治する天の配剤でもあった。

「今昔物語」には天狗物語が数々あって、仏法の強い中国天狗が、辺境の小国・日本の天狗にいじめられる話も出てくる。

初日の出のついでに、空を見上げよう。天狗が見えるぞ。

★旅する目玉 古武家賢太郎さんの絵

♪旅する鼓膜 清水 翔太 『DREAM』