別の実験をしてみました


「別のしかたで」河出書房新社刊。

手にしたら、千葉雅也さんの前著は「動きすぎてはいけない」とあった。読もうとしてた本。

「別のしかたで」も、流れからして情報系とか社会学の人かと思った。違って、専攻は表象文化論

何か気になったタイトルの見て、表象文化論者というケースはよくある。論者には2系統ある。

一つは、歴史的な図像・立体を今日的センスで語る。だいたい、とぼけてる。みうらじゅん先輩に学問の裏付けをくっつけると出来上がるタイプ。

その反対にあるのが、哲学タイプ。表象・現象を読み解くので、話は概念的。どうしたわけか、フランス留学組が多い。 

プロフィールよりさぐった千葉雅也さんは、後者。

本は、彼が6年間ツイッターにアップしたものをまとめたもの。ツイッターには短文のルールがある。

・なぜツイッターの140字がこんなに書きやすいかというと、それは、書き始めた途端にもう締め切りだからである。

長々とした学術論文を仕上げる経験に対して、140字という「別のしかたで」で哲学するという形式をタイトルにした。

自分が決めたわけじゃないルール = 法、掟、慣習は、仮の輪郭である。非意味的切断による個体化 = 輪郭化を考察・表現している。

そうですか。

耳慣れない言葉も盛りだくさんあった。

・インターネットはリゾーム状に「なっている」みたいなことが言われるけれど、それはそうとして、自分で「リゾームをつくる」ことをやってみるわけです。

調べました、リゾーム

竹やシダなど、一見根のように見える茎。根茎。

転じて、一見無関係なものが上下関係でなく、横断的に結びつく関係。幹・枝・葉といった秩序は、樹木(ツリー)のように垂直構造ということに対して。

フラット化を、フランス語で言うと哲学してるみたいに聞こえていい。

装丁の絵は、永井三郎さん。プロフィールのポートレイトとそっくりだった。

★旅する目玉 永井三郎さんの漫画

♪旅する鼓膜 Chet Baker - But Not For Me