狂が無いカリスマなんて
4日から始まった大河ドラマは「花燃ゆ」。
松下村塾の話だという。
とくれば、吉田松陰。
とくれば、ペリーの船でアメリカ密航をしようとした。
とくれば、安政の大獄で打ち首。時に30歳。
以上。
世田谷区に松陰神社があることはある。
中央区の小伝馬町を歩いていた時、「十思公園」なる意味深長なネーミングが気になった。碑を読むと、吉田松陰終焉の地とあった。処刑前の牢屋敷跡地だったのだ。
「あるべき、するべき、やるべき」な原理主義の人だったんだろう。策を弄せず直情な人。
それにしても遺された画を見ると、とても30歳に見えない。50歳くらい。
「白隠」岩波現代全書刊。
数年前に、渋谷文化村で白隠の展覧会を見た。臨済宗のお坊さん。
円空が木彫りの仏像を大量に遺したように、白隠も絵を大量に描いた。今でも旧家の蔵から新発見されるほど。
「すたすた坊主」をはじめ、ユーモラスで伸び伸びとした画風に魅せられる。
ところがこの人、実像は過激な社会改革者だったのだ。宗門の堕落と幕政批判。世直しアジテーター。
民を貪る暗君・酷吏・村長に、舌鋒するどい著作を木版刷りにして悪戦苦闘。その費用を賄うために絵を描きに描く。
松陰が理念・大志派だとすると、白隠は現実・生活派。両者、「狂」の人であるのは同じ。
写真は、日蓮像。彼も権力に諌言した。
★旅する目玉 古武家賢太郎さんの絵
♪旅する鼓膜 RachVision Tha'RealLIL' RACHETT II FREESTYLE PRACTICE