持ち寄れば、すむ話だろう


動物、言葉、学問、いろいろある絶滅危惧種

「そういえば、絶滅危惧種の都市もあるな」。讃岐うどんをすすりながら考えた。

去年だったか、衝撃的な予測が発表された。

2010年、人口の40%以上が高齢者だったのは4都市。それが35年には195都市、40年には279都市。

75歳のおじいさんが、85歳のおばあさんに席を譲る。

29年には、耐用年数50年以上の道路・橋が過半数を超える。公園・学校・上下水道も更新費用がかかる。

「縮小都市の挑戦」岩波文庫刊。

矢作弘さんは、ジャーナリスト。

デトロイトトリノを取材した。どちらもモータウンで栄えたが、赤錆地帯といわれるほど凋落した。空き地・空き家・空きビルと雑草の町は、ヤクの取引場に変身。

それを怖がらない「若者、よそ者、ばか者」が、荒廃地に住み始める。

すると、トレンドに敏感なスモールビジネスが生まれる。人気スポットが話題になって、起業拠点にもなる。で、地元不動産屋も動いて、いつしかチェーン店が出店する。

全国区の金融資本や、ディベロッパーが動くのは最後。

2都市を概観したのに対して、日本を語る時はより具体的になる。

自立できない都市とは、ハッキリいって金繰りが悪い都市ということだ。

個人でも同じで、収入が少ないなら、まず我慢する。あれもこれもやらない。求めない。

次に、お互いが持ってるものを融通しあう。機会や知識や情報の向こう三軒両隣。矢作さんは「間柄」と呼ぶ。

地域で連携して恊働し、調整する。

・税の一定割合を都市圏全体でプールして、人口に応じて再配分する
・市職員が複数の市の仕事を兼務する
・商業投資を集中させて、町並みとなるまで集積する
・図書館は相互検索と配送システムを作る
・大学の単位互換制度を高める

行政、銀行、業界組合、シンクタンク、病院、大学、ミュージアムNPO、社会的起業家が「間柄」で結ばれた地域。

讃岐よ、がんばれ。疑問を店員に尋ねた。

ぶっかけうどんと、かけうどんは何が違うんですか?」

「ぶっかけは、ダシが濃いんです。かけは薄い」。

★旅する目玉 MARUUさんの絵

♪旅する鼓膜 Nobieトリオ