身じゃなくてダシだった


カップ麺「近大マグロ使用 中骨だしの塩ラーメン」が棚に並んでいたので買ってみた。

「マグロの旨みをギュッと詰め込みました」

近畿大学が養殖に成功した「近大マグロ」って、よく聞くでしょ? 農業系の大学が食品・酒を販売する中で、ダントツの知名度がある。

ブランドがついに、カップ麺まで進出。

食べ終わってカッブを見たら、

※この商品に近大マグロの身は入っておりません

とあった。えっ、フリーズドライ近大マグロ、いずこ?

原材料名を読むと、スープの中身はエキスだらけだった。豚エキス、鰹エキス、野菜エキス、帆立エキス、酵母エキスに混じってマグロエキスと表示があった。

マグロは、大勢のエキスの中の1つじゃねぇか。

これが、「なぜ関西のローカル大学『近大』が、志願者数日本一になったのか」光文社刊を読んだ理由。

長いこと志願者数日本一は、早稲田だった。最近では4年連続明治。去年、その明治を378名上回って近大がトップになった。

今年の発表がたのしみだ。

私大は、一族の稼業が多い。4代目理事長だった世耕弘成内閣官房副長官へ就任したため、2012年に留守にするにあたって大学に残した言葉は、

・10年以内に「関関同立」に追いつき、追い越すこと

1ランク偏差値の高い「関関同立」に、「不本意入学者」が多い近大は燃えている。

2018年から31年にかけて、18歳人口は33万人も減少する。778ある大学で奪い合う。当然、破綻する学校も出てくる。

近大は経営が上手だということは、わかった。

わかったが、エースコックとコラボして大勢のエキスの中の1つでしかないことを商品名にした。

虚偽でないなら誇大、と指摘する近大水産研究所の教職員はいない。ビジネス優先だし、良心と自分のクビを天秤にかければ生活が第一だし。

★旅する目玉 和田淳さんの絵

♪旅する鼓膜 J.N.Hummel - Trampet Concert / Maurice André