お客さん、映画いかが?
ベルリン映画祭が始まった。
12・1月は、消費が活発になる。2月は消費疲れで、商売が落ち込むのはどの国も一緒なのか。無理クリ盛り上げようとする。
映画祭は商談の場所だが、おまけで一般人も見られる。
去年、ベルリン映画祭で金熊賞と銀熊賞を受賞したと話題だったので「薄氷の殺人」を見た。
映画には文法がある。酷寒 = 暗闇・殺伐・深刻・崩壊・過酷・負け犬・謎。
冬のハルビンが舞台。悪夢のフィルムノワールを期待した。ディアオ・イーナン監督の脚本は、残酷さが手ぬるい。
カメラワークはいい。深い夜の闇に、消え入るようなネオンや観覧車。中国大陸の大きさと欲望の大きさが、人間の無価値さを強調する。
あらためてベルリンは、他の映画祭と比べて奇作好みなのか?
出品者がピーター・グリーナウェイ、ベルナー・ヘルツォーク、テレンス・マリックとあった。日本からはSABU監督。
で、さあ。
これから見る映画をラインナップしてみた。
・「おみおくりの作法」
原題は、こんなに甘っちょろくない。しがない役人が主人公というところがいい。
・「夜間中学映画祭」
ポレポレ東中野らしい企画。長い人生の真実は、辺境にあるんだよ。
・「深夜食堂」
夜間中学・高校に通学しなくても、ありふれた食堂があるじゃないか。
・「愛して飲んで歌って」
難解映画「去年マリエンバードで」のアラン・レネ監督の遺作がやってくる。
・「ジャック・ドゥミの少年期」
銀座メゾンエルメス ル・ステュディオで上映される3月のプログラム。無料。
みんな無料なら更にいいのに。
★旅する目玉 朱川湊人さんのイラスト