電子手前の電気がいい

秋葉原で電気部品店をのぞく。

「手作りラジオ工作入門」ブルーバックス刊を読んだので、雰囲気を味わいたかった。

小学生の頃に、親類の兄さんと歩いた。

今、山手線と総武線が立体交差する駅の足元には、ピッカピカのビルが立つ。かつては「やっちゃば」と呼ばれる青物市場が広がっていた。

店内を回っても何の部品かわからないのは、当時と変わらない。根っから理系じゃないんだよ。

文系の部品好き、僕みたいのはけっこういるんだ。機能としての部品ではなく、色や形に淫する輩。指でつまんで、裏表見て、印字されている数字などを読む。

整理するキャビネットが、標本箱に見える。

各種ワイヤーが下がる壁。必要な長さを、自分でニッパーで切って清算するしくみが、いかにも手慣れた客相手という感じ。

雑誌「子供の科学」が並んでる。キットも売っている。オルゴール、メロディ時計、FMラジオ。

2人の息子が小学生だった頃に、ラジオのキットをプレゼントしたなぁ。ハンダで付ければ完成するようなキット。

「なぜ?」と訊かれても答えられない文系親父は、そそくさと仕上げて「聞こえる、聞こえる」とうれしがった。

本は、電波のことから説明する。

速さは、光と同じで1秒間に地球を7回り半する。

そして波長。ラジオ放送は中波。国際放送は短波。FM放送は超短波。極超短波に、携帯電話や地上波テレビがある。マイクロ波が使われるのは、衛星通信や衛星放送。

もう、これだけで膝を打つ知識だ。「子供の科学」を読んで、孫にもてる姿を想像する。