アタリハズレの種たち
林業会社の広告を見て、「そうだった」と納得した。
年輪ってあるでしょ? 広告では、中心から外輪に向かって歴史上のトピックスを並べる。
人の世にたとえば50年の歴史があり、その間に木も黙して成長を続けてきた。苗から遅々として育って、現在がある。
「そうだよ、あせっちゃいけない」。
2月初め、ポンカンの種を見て育ててみようと思った。
思ったら勢いがつき、3日とあけず駅前スーパーに寄って果物を買うようになった。
旬は柑橘類。
ポンカンの次に、宮崎産キンカン。デコポンは、種が無かった。フロリダから来たグレープフルーツと続く。
趣向を変えて、信州産市田柿に手を出す。干し柿だが、これは種はあるけど、はたして芽が出るほど元気か? 青森産のゴールデン・デリシャスは、想像より種の数が少ない。
どれも、小皿にティッシュペーパーを敷いて水をひたして種を置く。
広島産ネーブルは、種無し。なんだか、ハズレた気分。
愛媛産イヨカンと甘夏には種があった。アタリだ、うれしい。
小皿の水は蒸発する。補給する。でも全然変化しない。期待が落胆に変わる。振り回されてるよなぁ。
年輪広告を見て、落ち着かなきゃと銘じる。
このままいくと、1年で100種類くらいの果物を食べ続けることになる。楽しみだが、小皿100枚は無い。
どうしよう?