桃も栗毛も達者でな
ブルーカーボンの話を聞いたのは、横浜市中央図書館だった。
初訪問だったので、案内を乞うと「神奈川県立図書館じゃないですね?」と念を押された。地元の人にはわかっていても、来訪者には迷うほど近いのだろうか。
会場に着くと、紅茶のサービスあり。
「マイカップをお持ちですか?」と訊かれる。3種類の紅茶から選んで飲める。マイカップ習慣があるほど、このサービスは定着してる。
市内のリタトレーディングが提供しているのだった。フェアトレードをやっている会社。紅茶の他にチョコレートをチラシで紹介していた。
僕は知ってる。カカオ農家って、チョコレートを見たことも食べたこともないのが大半だってこと。現地では、めちゃくちゃ値段を買いたたかれているのだろう。
ブルーカーボンの講演前に、紅茶を飲みながら資料を読む。
「この資料は、前回のライブラリーカフェのものです」とくれた「横浜はフルーツ王国だった?」。
ずいぶんおもしろいことやってるな。
昭和20年まで日本のくだもの生産推移グラフでは、ダントツで柑橘類だった。柿・リンゴ・梨と続く。
大正時代、都道府県別で神奈川県は4位と健闘する。
東横線の綱島駅。大正15年に開業した時は綱島温泉駅。都心の奥座敷は、一面桃畑が広がる里山・橘樹村であった。桃に限れば岡山県に次ぐ、不動の2位。
昭和10年代に生産量は9位に転落。都市化が進んだ証拠。箱根が開発されて、綱島温泉も宅地になっていく。
調べましたよ、綱島温泉。
まだ数軒は銭湯やってる。懐かしい名前が出てきた。昭和歌謡界のキング、三橋美智也はデビュー前にここでボイラーマンをやっていた。
3月中には行きます、綱島。湯船で歌うのは、もちろんこの曲。
旅する鼓膜 達者でな