ゆるキャラ公共アート論

日本人のゆるキャラ好き。

全体に丸く、2〜2.5頭身の赤ちゃん体型。かわいいもの好きの国民性。

「人類と芸術の300万年」柊風舎刊。

動物学者のデズモンド・モリスの本。学生時代に「裸のサル」を読み、人間はほとんど体毛を持たない貧弱な動物という視点にショックを受けた。

常識と違う、モノの見方があることを教わる。

画家でもあって、自分が絵筆を握ればこそ「人類と〜」の本も生まれたのだろう。

原題はThe Artistic Ape アートするサル。

アート衝動が、遠い祖先で生まれた瞬間をさぐろうとする。

それは美術評論家が狭い定義をあぁでもない・こぅでもないと言い合うことへの苛立ちがあるからだろう。そこで、人類の進化や生態という得意分野から考えたアート論となる。

第4章に「こどものアート」がある。

線状のなぐり描きからスタートし、そのうちカタチを描く。

カタチの原初は人物。丸を描き、目鼻の点を付け、外に向かって線が伸びる。手と足のつもり。胴体は無い。これは「頭足人」と呼ばれる幼児共通の認識パターンなのだ。

他にも教育を受けてないアート、短命な運動としての近代アート、販売促進のためのアート。

・アートとは、日常的なものから非日常を作り出すこと

モリスは日本独特のゆるキャラまでは解説してない。でもアートなんだ。