ジャック・ドゥミの少年期 アニエス・ヴァルダ
かみさんのアニエス・ヴァルダが監督したのが「ジャック・ドゥミの少年期」。亭主の少年期を映画にした。
世代では、2人ともヌーベル・バーグなのだろう。ところが、ヌーベル・バーグと形容されて名前が登場する文章を読んだことがない。
不思議だ。
怒れる若者とか、不条理とか、セックスをテーマにした映画を撮らなかったからか?
ロアール川が流れるナント市。少年の父親は、ガソリンスタンドと修理工場主。母親は美容師。
母に連れられて来た人形劇に魅せられる。さっそく、自分も人形劇を作ってみたくなる。
段ボールや端材をつかって、人形を作る。舞台を作る。
古道具屋でムービーカメラを見つけてからは劇をコマ撮りし、ホームシアターが開かれる。少年映画監督の誕生。
「シェルブールの雨傘」は、自叙伝であったのだ。人形劇のような映画だったと、納得できた。その後の映画も、おとぎ話の感覚だ。
彼の後継者が、パトリス・ルコント監督か。デビュー作が、確か「髪結いの亭主」というのも暗示的。
どことなく、2人は顔も似てる。