日本の木造遺産 藤森照信・藤塚光政

藤森照信さんは、コンクリ建築の歴史だけじゃないんだね。建築史家ならあたりまえか。

「日本の木造遺産」世界文化社刊。

史家のみならず、実際に建築もする。赤瀬川原平さんの家「たんぽぽハウス」を設計した。でも、余技・冗談の臭いでしょ?

ところが「神長官守矢史料館」「秋野不矩美術館」と、まともなこともやってた。

「神長官守矢史料館」って、どう読むの? 史料館であることはわかるけど。

とにかく日本の木造建築を見て歩いた。

・石の建築ならイタリア、木の建築なら日本を見ればいい

大理石で、イタリアは産出量世界一ではない。でも質の良さと種類では未だ屈指らしいのだ。

イタリアにある大理石を使った文化遺産を考えてみてよ。同量同質の木造建築が日本にあるなんて、すごいな。

木の種類や樹齢、なかには寿木と呼びたくなるような銘木があるのだ。

材の加工精度でも、自慢できる。

一人前の大工が持つ道具は、179種類が標準編成。樹種に合わせ、継ぎ手や仕口に合わせて能率のよい道具を求めたら、こうなった。

愛が伝わる。

写真は、藤塚光政さん。

建築は動かず。しかれども、建築は動いているんだよ。誰でも撮れるのは、建築写真とは呼ばない。

僕ね、写真を見る目は持ってるから。