ハーレムの闘う本屋 ミショー・ネルソン

5月27日、日比谷図書館で講演「図書館建築を読む」がある。

第1回は「光の構想設計」。東京芸大の桂英史さんの話。

前に多摩美の図書館の本を読んだ。

学生が本と出会う現場のために、キャンパスのどこに建て、館内をどのようにレイアウトし、書架からテーブルへの動線をどう考えるか。

ところが、司書のレファレンスには言及してない。建築の本だから。

「ハーレムの闘う本屋」あすなろ書房刊。

ニューヨークにあった書店主ルイス・ミショーの生涯を追う。著者は、ヴォーンダ・ミショー・ネルソン。図書館司書。

ルイス・ミショーは、モハメド・アリマルコムXの時代の人。1974年10月25日、彼の店は閉店した。

・特別セールのお知らせ
 
ナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストアよりハーレムの皆さんへ

当店には3ドルから10ドルの黒人関係書籍が2万冊あります。これをセール期間中は1冊99セントで販売します。

そして、

・そろそろ、店をたたもうと思います。わたしは遠くへ行きます。やるべきことはやりました。靴のボタンをとめ、どこかにいい島を見つけて、そこへ行こうと思います。

ルイス・H・ミショー

ハーレムの住民を受け入れ、なだめ、鼓舞し、市当局からにらまれた書店。民製図書館といっていい。

81歳の時の言葉が残ってる。

・今となっては、もう、どうでもいい。でも、文句を言っちゃいけない。わたしの人生は、決して水晶の階段じゃなかった。でも、少しは胸を張って旅立っていける。

ここで、やっと原題の意味がわかった。

No Crystal Stair。

イラストのR.グレゴリー・クリスティは、ベン・シャーンに似てる。

地獄を知らないと、お洒落は描けないということか。