認知症サポート 杉山孝博

中国では、二度童(わらし)と呼ぶらしい。

日常生活がうまくできない認知症の姿から、「二度目の赤ちゃん」。

赤ちゃんなら、わかりやすい。どう見ても普通のじいさん・ばあさんだから、まわりがとまどうのは無理ない。4段階を経て、ちゃんとつきあえる。

ステップ 1  とまどい・否定

ステップ 2  混乱・怒り・拒絶

ステップ 3  割り切り・あきらめ

ステップ 4  受容

認知症の原因で最も多いのが、アルツハイマー病。脳の神経細胞が死滅し萎縮する。

他に、脳血管障害。幻覚や手の震えなどの症状になるレビー小体型認知症もある。

サポート本だから、「ステップ4受容」から始まるケアを手取り足取り教えてる。25のQ&A。

同じことを訊く、物をなくす・溜め込む、同じ動作を繰り返す、昼に寝てばかりいる、場違いな服装、言いがかり・・・・。徘徊、暴力、不潔行為、失禁・・・・。

困った症状に、それぞれ「本人はどう思っているかというと」が添えてある。

不安 不信 恐怖 あせり 孤独 興奮 困惑 怒り 喪失 失望 混乱 悲嘆 不愉快 反発 不満 もどかしさ

脳の神経細胞が死滅しても、これだけの感情をもっているのだ。願望や使命感すらある。

そこで、乳幼児の成長過程にある母親の口癖を考えた。

・ちゃんとしなさい

・言うことききなさい

・早くしなさい

認知症の家族と同じだ。こども「本人はどう思っているかというと」も同じなのだろう。

試行錯誤の4ステップだ。