喃語(なんご) 文字だっち
「ウグイスは、ホーホケキョって鳴くでしょ?」
書籍の校正をやっている「文字だっち」は、我が「孫部」活動の女子部員だ。
原宿・キディランド3階でプラレールに付き合うこと1時間。僕は途中で飽きた。
彼女は飽きずに、言葉にならない孫の発声につきあいうなずく。
部活終了後、「ホーホケキョって鳴けるのは、おとなのウグイスで」、子どもはケキョとかキョと鳴く。「そういうの、喃語(なんご)っていうの」。
追いかけて、メールで言葉の説明が届いた。
・「喃語」 日本国語大辞典(小学館)より
(1)くどくどと話すこと。また、ぺちゃくちゃとしゃべること。
(2)男女がむつまじくかたりあうこと。
(3)乳児の、いまだことばにならない段階の発声。
ほんとに、そういう言葉があるんだ。で、喃とは?
・「喃」 白川静「字通」(平凡社)より
字音 ナン
字訓 くどくどしい
訓義 (1) くどくどしい、くどくどとかたる。
(2) 書をよむ声。
(3) 国語で、よびかけの声。のうのう。
文字のプロは、文字の道具を使いこなす。時に臨んで、適切な言葉を披露する。最後にメッセージ付き。
「今まさしくの言語。今のままでいろとは言えないですけど。彼の日本語は、いつ完成語に近くなってしまうんでしょうか」。
文字を知っているからこそ、未熟語へ愛惜が湧く。
ちなみに、孫の母親の名前は鶯(ウグイス)。これ、ほんと。