工作舎物語 臼田捷治

サービス残業は、基本の勤務時間があってのタダ働き。

不眠不休は、締め切り・駆け込みの非常時。

それが365日不眠不休のサービス残業だったら?

工作舎物語」左右社刊。

工作舎は雑誌「遊(ゆう)」を出していた。1970〜80年代。編集長が松岡正剛さん。言葉の意味を、つながりで捉える。それをエディトリアル・デザインで伝える。

「編集とはデザインである。デザインとは編集である」。

「遊」は3期に分けて刊行された。1期目手探り、2期目絶好調、3期目返本の山。で、松岡正剛さんは工作舎を去る。

えっ、松岡正剛さんは工作舎のオーナーじゃなかったんだ。

企業の販売促進ツールを作って月給を出し、それで終わっていれば万事穏やか。でも、ただの編集デザイン会社。

利益を「遊」に注いだから、報酬はあってなきがごとし。 365日不眠不休のサービス残業でも喜んで参集した若者が、異才・異能を発揮して現在大御所になっている。

・・・ということを、青葉区民講座「ビブリオバトル」で発表した。

5分間で、自分の推薦本を交代で発表する。聞くほうは、「どの本を読みたいか」で挙手をする。

京都みやげ、老夫婦、ファンタジー、焼酎、落語などが挙る。

僕の本? もちろん選ばれなかった。区民は健全なのだ。我が生活感の無さが露呈した。