僕の叔父さん網野善彦 中沢新一
前に網野善彦さんのことを書いた。
すると「こんな記事がある」と、日経をくれた校正者の「文字だっち」。
網野善彦さんと中沢新一さんは、親戚だった。中沢新一さん5歳の時、叔母さんの結婚した相手が網野善彦さん。駆け出しの歴史学者だった。
なんて運命的な出会い。すぐ仲良しになる。
・精神の自由なつながりの中から重要な価値の伝達されることがしばしばおこる。
すごいね、この甥と叔父。
2人の本は、1冊ずつ読んでいた。いや読もうと試みて、だいたい理解不能だった。
「僕の叔父さん 網野善彦」集英社新書刊が、両者をつなぐ3冊目の本になった。
数十年前に、「バサラ」という言葉が流行った。スノッブが口にしていたと思う。婆娑羅と書く。
新書を読んでいて、当時の「バサラ」の源流は網野善彦さんの著書から始まったのではないかと思った。
めちゃくちゃスノッブな僕が、今頃になって「室町時代が気になってる」って言うのも、なにがしか刷り込まれていたからかもしれない。
いずれにしても最初は自爆したが、ご両人の本はこれから1冊1冊読んでいこうとしていた。
それも交互に読みたくなる。往還していると、仲良しだった甥と叔父を眺めているようで、気持ちいいからさ。