セバスチャン・サルガド 監督は息子
フランス映画祭2015で、「セバスチャン・サルガド」を見る。
サブタイトルが気に入らない。「地球へのラブレター」だって。口当たりを良くすりゃいい魂胆丸見え。
原題は「地の塩」。
青山学院大学が、よく「地の塩たれ」と言っているからキリスト教の言葉か? 聖書に出てくる?
塩は、栄養・養分・生命のシンボルで、転じて平和・友情・愛情の世界的記号でもある。
キリスト教義が持ち出されると、この世の地獄・煉獄が前提にありそうな・・・。
サルガドの写真は、ジャンルで区分けできない。報道であり、民俗であり、人類であり、虐殺であり、貧困であり、労働であり、生命である。
それが、まるでモード写真である驚異。
どんな人かと思うだろ? 本人とかみさんを、日本写真芸術専門学校で見た。
今回は、息子のジュリアーノが来日して上映後に登壇した。
ヴェンダースと2人で監督をした話。写真撮影中の父は集中して声をかけられない話。
そして、ギクシャクしていた父子の関係が、この映画制作で和解した話。
貧困、飢餓、難民、内戦を見過ぎたセバスチャン・サルガドは、体が変調し、故郷にもどる。
「Sebastião Salgado.Genesis」TASCHEN刊。ジェネシス・創世紀というプロジェクトが、そのまま写真集になった。