赤ひげ 黒澤明
千代田図書館のAVブースは、両脇を曇りガラスで仕切ってある。
これは、あたりかまわず号泣するのに都合がいい。
3時間の大作「赤ひげ」鑑賞。
山本周五郎の原作は「赤ひげ診療譚」。小説は全体でどれほどのボリュームがあるのだろうか?
CD化された診療譚4枚を持っている。
・狂女の話 駆け込み訴え 徒労の賭ける 氷の下の芽
朗読は、すべて矢島正明さん。
診療譚とは別に、新潮社も周五郎ものをCD化している。日下武史、江守徹、佐藤慶、長山藍子さんたちが朗読。
黒澤明監督は、「赤ひげ診療譚」だけから材料を選んだのだろうか? シナリオを書くために、他も読んでいたはずだから、知らん間にチャンポンになったか?
もともと、周五郎作品には基調がある。
貧乏。
貧しさの諸相を描き、「なにもそこまで自分を追いつめなくてもいいではないか」という健気さ。
音楽が佐藤勝とあった。場面展開に効果あり。この人は、他の黒澤作品の常連かもしれない。