キッチンカーの移動販売 烏川清治
夏 → フェス = 何か買い食いしたい。
これが一般人。
夏 → フェス = 一稼ぎできるのでは。
一般人ながら、会場に集まったキッチンカーを見て、こう思ったことはないだろうか? 小銭を稼いで、明日はどこの旅の空。
風来坊が行き詰まるのは、まず日銭だからね。
「キッチンカーの移動販売」旭屋出版刊を読む。あまかった。流れ者、普通に生きていけない人間の身すぎ世すぎロマンが消し飛ぶ。
事業解説本だった。動機・商品・クルマ・場所・人・販促・役割を説明する。
とりわけ場所。
キッチンカーを見かけるのはイベント会場だ。
海山川やスタジアム。キッチリ区分けされてる。都市のアリーナや広場も、すべて地権者がいる。曖昧さが無い。
国際フォーラムの屋台村は、東京都のショバか? 都は「町づくり、賑わいづくり」にキッチンカーを誘う。
そうじゃないんだよ。
もっと自然に、普段に、なにげに、うらぶれて、朝昼晩食じゃない食の風景にキッチンカーがあればいいというのは夢か。
著者の烏川清治さんは、晴海埠頭でホットドックを売っていた父親を10歳から手伝っていたというから、家業でしょう。
よほど商売の水が合っていたのか18歳で独立。「自分に合った仕事」で悩む大学生と親を尻目に、みごとな事業承継。