古書と古物 書肆逆光
「なんていう人なんですか?」
「いのうえようこ、さんです。普通に『井上』と、ようは太『陽』の陽子さん。本の装幀もやってますよ」。
書肆(しょし)逆光でのやりとり。
写真の手前、なにやら箱に入っている紙もの詰め合わせ。言いようがないから、ひとまずペーパークラフト。
井上陽子さんの体質は、たぶん箱好き、紙好き、工作好き、印刷好き、包装好き、文具好き少女と見た。
大人になっても適性に忠実。美大に入学、卒業しても自分を曲げないで作ったのが、このペーパークラフトでしょ。
いいよなぁ。
それを仕入れて売る書肆逆光の店主も、見上げた根性。
訊けば、前は新刊書店員だったらしい。
ビニールコーティングされたピッカピカ本に疲れたのか、古書店を去年開業。合わせて古物を置く「俺の店」。
「江戸東京実見画録」岩波文庫刊を買う。
文庫の古本だから、本日の売り上げに全然貢献せず。読み終わったら、また行こっと。