1600度でもOKの鍋土

もぅね、寒いから湯豆腐。

どうやって、作ります? アルミやステンレスの鍋を火にかけるのが、いちばん安直なやりかた。鉄鍋ってのもある。

思い入れがあれば、土鍋ということになる。はい、3000円くらいで買った土鍋、我が家にあります。

あるけど、陶芸教室で去年作った。

白土と赤土が、教室で使う基本の土。そのうち、黒土を持ち込むメンバーがいて、これで作陶すれば見栄え5割り増しになる。京都老舗料亭で出される器のようだ。

すると、「鍋土というのもある」と、土鍋用の土を持ち込むメンバーもいた。ほんとに、直接火にかけても大丈夫なのかと疑心暗鬼になったけど。

湯気がカメラのレンズを曇らせて、写真のごとし。

食べながら、殿・細川護煕さんが古美術店で開いた個展図録を眺める。

政界引退して、作陶三昧。それが「殿、ご乱心」と自民党にからかわれて都知事選に出馬し、あえなく落選。「

「これから思う存分できますね。私は、殿の陶芸ファンですから」と、さらに自民党からいじられる。

湯河原の電気窯と、長野の薪窯。花入や茶碗や壺や絵皿などの作品。どれも10万円単位だろう(たぶん)。銘がなければ1万円以下だろう(たぶん)。

土鍋職人、中川一辺陶さんをテレビで見る。

京都老舗料亭や外資系ホテルのレストランで出す土鍋を作る人。土を15年20年寝かせてから、作業を始める。それでも、1つ3万〜5万円だった。

そのつもりで食べる湯豆腐は、うまい。

Nikki Yanofsky