装丁家3人の作品めぐり
タイトルが読めない本の背を見た。
棚から抜くと「心獣」だった。表紙から背にかけて、大きな文字でタイプしたデザイン。
こういう装丁をするには、「売らんかな」より思い入れがあるということだ。ヘルタ・ミュラーという著者を、三修社はずっと追いかけていた。
2009年にノーベル文学賞を受賞する前から。「やっと時代が追いついて来た」と、三修社は思っているだろう。
すべて、やぶはなあきおさんの装丁なのだろうか?
次に、今福龍太著「書物変身譚」新潮社刊も入手。
新潮社の装丁は、クレジットが「装丁室」となってるのが普通だ。
ブックデザイン・佐藤篤司となっていた。今福さんが「この本は、あの人でなければ」と熱望したからだろう。
昼間、一働きして我が家にもどる。家人が眠り、秘かな愉しみに耽るための読書。
佐藤さんは、深夜の極私的愛玩物の本が、セラピストになって読者を受容する書物のデザインを考えている。
著者は、子どもの頃から不登校児だった矢萩多門さん。
「明るい不登校児」になれたのは、石井先生のおかげ。川底に住む蟹兄弟の童話、宮澤賢治著「やまなし」を数ヶ月かけて読む。
その後、「作者は何を考えているか?」なんて凡庸な質問を先生はしない。「どんな色してた?」「音は?」「匂いは?」。すごい先生だ。
インドへ行き、現在は装丁家になった自伝。
[https://www.youtube.com/watch?v=EQUlGg-AryQ:title=シーナ&ロケッツ 30周年ライブ(ゲスト 細野晴臣 高橋幸宏)
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