映画書のデザインをめぐって 鈴木一誌
京橋のフィルムセンターでは、「シネマブックの秘かな愉しみ」展をやっている。
秘かな愉しみ、という言い回しが学芸員の映画ブルジョワぶり本領発揮。
館蔵している図書は、44000冊。この規模だと、ほとんどが和書ということか。フィルムセンターは国立施設だ。海外の映画関連ミュージアムに比べて、一桁資料が少ないと思う。
連続講座があり、13日「映画書のデザインをめぐって」に参加した。
ブックデザイナーの鈴木一誌さん、スキンヘッドだった。
この人、杉浦康平人脈とは知らなかった。自己紹介されて、納得する。
表紙だけではない、本文も含めてデザインする。師匠から、当たり前のように習ったのだろう。
も一つは、写真の収集作業。スティル写真だけでなく、撮影現場のスナップ写真も集める。デザイナーが自ら集める。
ビジュアルの編集者だということ。これも杉浦さんから教わったことにちがいない。
「1枚の写真を借りるのに2万円する」現在では、とてもシネマブックが作れないと嘆く。
湯水のごとく写真を使って、ページの流れで時間を演出する。映画と同じ体験を本でも、とデザインしてきた。
作品紹介され、例によって「あれも読みたい、これも読みたい」となる。
鈴木一誌さんの名前は、たびたび目にしてきた。これからは映画本をめくっていく。